弊社では職業訓練や企業研修などに対応するため、100台を大幅に超えるパソコンを保有していますが、なかにはかなり古いものもございまして、最も長く稼働しているノートPCが、この「HP nx6120」です。
もともとはWindowsXPでしたが、Vista→7とアップデートされ、未だにパソコン主体でない医療事務や簿記コース、または市民講座などで活躍中です。
※HDDやメモリをアップデートして利用しています。
上記の通り、HDDやメモリを交換すると2017年でも特に不自由ないレベルで動作するのですが、時計だけが問題で、電池切れで1980年になっているものがあります。
ちなみに、意外にもこの機種。
液晶や基盤の故障は一度も無く、後々購入した新しいものほど、よく壊れています。
ひどいのは、Probook4710、4720で、20台あれば3-5台は電源がつかない、頻繁に電源が落ちる、モニターに表示されない部分がある、モニターがそもそも表示されない、キーボードで大量に反応しないキーがでる。などロットごと交換して欲しいぐらいです(笑)
さて、愚痴はともかくとして、普段はネットに繋いでいる環境のため、起動時に自動的に日付を調整しているのですが、外部講習に持ち出すと時計がリセットされ、講習会で日付を用いた関数を実行するなどの際にお客様にご面倒をかけることとなっていました。
去年の秋くらいまでは一部だけでしたので、その場の対処でなんとかなっていたのですが、念のためすべてのマシン(22台)を交換することにいたしました。
舐めていたら難しかったです
「ただの電池交換、買ってきて変えればOK」と高を括って空けてみると・・・
「あれ・・・直付けされてるぞ、これ」
電池を単に入れ替えるのではなく、基板側に端子で接続し、電池側にははんだ付けされた金属端子で貼り付けてあります。
CR2016端子付き電池パックが存在しない
個人的に電池に直接はんだ付けするのは色々と怖い気もするため、電池型番「CR2016の端子付きの電池パック」をGoogleで検索するのですが、”まったく見つかりません”。
電子部品ショップに電話をしても取扱なし、どうも中国から直輸入もできるみたいですが、ロットが5,000とか無理です。思い切って電池メーカーに問い合わせてみても、小ロット取引はできないとの回答。(当たり前ですが)
導電して絶縁できればいいんじゃない?多分
という適当な発想で、次のものが必要だと判断
買ってきたもの
・電池 CR2016(近所の100均)
・導電性アルミテープ (3M 導電性アルミ箔テープ No.AL-50BT 25mm幅x3m)
・絶縁布テープ(ニトムズ 電気絶縁用アセテート布粘着テープ No.5)
用意したもの
- ドライバーセット(パソコンを開けるため)
- ニッパー(古い電池のシールドを剥がす、ほか)
- はさみ(テープを切る)
パソコンを開ける・分解する(Nx6120)
開け方はかんたんです
裏面のビス(1箇所)を外します
星型ビス(2箇所)を外します。
※対応ドライバーの無い方は、マイナスドライバーで外すことができます
メモリ増設スロットが見えます、DDR333メモリを挿せます。
裏返して、キーボード上部にある4箇所の爪を下に下げます
キーボードを”ペロッ”とめくる感じで開けます
電池が見えていますね。ちなみに、ここにもメモリスロットがあるので、ここと先程の裏面と合わせて2箇所メモリを差し込めます。DDR333は記事執筆時には1GBが売られているため、あわせて2GBまで増設できます。
Windows8以降は厳しいでしょうけど、7でしたらそれなりに快適に動作します。
電池を外して、剥がして、貼り付ける
基盤と電池を繋げているコネクタを外します。わりと力がいるかもしれません。
その後、電池を外しましょう。
手で取り出しにくい場合はマイナスドライバーなどを使って、テコの原理で外します。
透明のシールドを剥がします。
かなり硬いですので、手で難しい場合はニッパーやハサミを使って、切れ目を入れながら剥がします。
剥がした状態です
電池と接触している金属端子を剥がします
端からペリペリという感じですが、ものによって非常にとりづらいものありましたので、そのようなものはラジオペンチなどを用いたほうがいいかもしれません。
新しい電池にアルミテープでくっつける
※もちろん、赤が+、黒が- です。
裏も貼り付けます
ここが難しい、絶縁テープ貼り付け
もっとも難しいステップだったのが、絶縁テープの貼り付けでした。
元々の電池ボックスサイズがギリギリで、テープをうまく巻かないとボックスに入ってくれません。
最初は何度もやり直しすることになり、やっと下記の方法でうまくはまるようになりました。
まず、上半分程度を下から上に巻きます。丁寧にピッタリと
次に下半分も下から上へ巻きます。これも丁寧にピッタリと
端を電池の形より少し大きいくらいに、Rをつけてハサミでカットします。
※電池ボックスの形に合わせます。
あまり切りすぎると電池が見えてしまって危険ですので、切りすぎた場合は再度テープを巻くところからやりなおしてください。
電池ボックスにはめ込み、コネクタに接続します。
※本当にサイズが厳しいので、多少押し込む感じで
後はキーボード→裏面カバーと作業を戻します。
BIOSを設定する
電池交換後、電源投入するとBIOSから警告されますので、一旦設定画面を開き、必要な項目を設定したらSAVEして、再起動しましょう。
2017年になりました
交換前は1980年だったNx6120の時間も、2017に正しく設定されました。
古いノートPCでも、HDDやメモリを交換すれば軽作業ならほとんど問題なく使うことが可能です。
その中でも電池は特に消耗品ですから、ある程度の時間が経過したものは交換をしてみるのはどうでしょうか?
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