三重県委託訓練(公共職業訓練)33コース パソコンビジネスWEB基礎科 上野です。
今回は訓練の様子ではなく、設備に関しての話題です。
IP電話とは
インターネット回線網を用いた、音声通信。つまり”電話”です。
通常050から始まる番号が割り当てられ、普通の電話機をつなぐことができます。
通常の電話回線の増設が難しく、ひかり電話も使えない環境でも、インターネット接続ができれば電話を持つことができます。
また固定費や通話料が安価なものが多いのが特徴です。
人気のIP電話サービスは次のとおりです
- 050Plus ← NTTコミュニケーションズ
- Fusion IP Phone SMART ←楽天
- ブラステル ← ブラステル
今回は、たまたま実験用IDを持っているFusion IP Phone SMARTで試してみます。
多分、他でもほぼ同じ扱いでできるはずです。
なぜ、使いたいのか
伊賀上野校が入っている建物(上野フレックスホテル)で、たまたま事務室が設置されている場所の配置が悪く、電話のアナログ信号が弱い(悪い?)状況です。
どのぐらい悪いかと言いますと、一般的な電話機をつなぐと”ざわざわ音がする”ことと、ADSLのリンクが確立できないレベルで、ADSL業者に匙を投げられる状態です。
そのため、インターネット回線に地元の伊賀上野CATVサービスを利用しております。
(伊賀上野CATVインターネット自体は良好です)
ですので、基本利用料無料の050IP電話を用いて電話を一つ引いてみたいと思います。
実験に使ったのが、個人的にアカウントを持っている”Fusion IP Phone SMART”
ただ、別にブラステルでも050Plusでもかまわないと思います。
VoIPアダプタは定番のHT702(701)です。違いは電話接続ポート数が2か1かの程度ですので、値段を見て考えていただければと思います。
なお、設定に際してはWEB上の情報を参照しました。Amazonコメントや個人ブログなどです。
特に、下記サイトを参考にしています。
【Atelier AnKH’s Blog】
http://blog.a-ankh.com/blog/889/
【マニュアルっぽいもの】
https://www.agile.ne.jp/agile/wp-content/uploads/2016/03/common_HT_701-Ver2.0.6.pdf
環境
- インターネット環境:CATVモデム 8Mbps〜程度
- ルーター:Yamaha RX1200、NEC Aterm 両方試しましたがOKです
- HUB:アライドテレシス8Port※ここは何でも問題ないのではないでしょうか
- 電話機:Sharp家庭用、PanasnicFax家庭用、CANONビジネス複合機 いずれもOK
HT702(701) IPアドレスの確認
HT702(701)はDHCPで適当なアドレスが設定されます。電話機から確認する方法もありますが、パソコンを使うなら、ネットワークスキャンアプリを使えば簡単です
ネットワークスキャンアプリでIPアドレスを確認する
ログインする
先程確認したIPアドレスをブラウザーに入力してログインします。
初期設定のパスワードは「admin」です。
Firmwareバージョンを確認する
ログインしたら、Firmwareバージョンを確認します。私は「1.0.8.2」でした。
※2017年3月5日段階で最新
理由は、参考とするインターネット上の記事が、それぞれ記事を書かれた方のバージョンに依存していることから、自分が探すべき情報を絞り込むためです。
Basic Setting タブ
主に日付を設定します。
1.「Time Zone」を「GMT+900・・・」に設定。
2.(必要な方は)固定IPを設定してください。
3.最下段「Update」をクリック
4.画面変遷後、再度「Apply」をクリック
ADVANCED SETTINGS タブ
主に、日本の時間にあわせた時刻サーバー(NTPサーバー)を設定します。
1.「NTP Server」に「ntp.jst.mfeed.ad.jp」と入力。
※他の時刻サーバーでも構わないはずです。
2.最下段「Update」をクリック
3.画面変遷後、再度「Apply」をクリック
FXS PORT タブ
私の場合、HT702を用いていますのでポートが2つありますが、HT701だとひとつになるはずです。
1.「Account Active」に「Yes」にチェックされていることを確認します。
2.「Primary SIP Server」に指定されたSIPサーバー名(FusionIPなら)「smart.0038.net」を入力します。
3.「Outbound Proxy」に上記と同様、SIPサーバー名「smart.0038.net」を入力します。
4.「NAT Traversal」を「Keep-Alive」にチェックします。
※NAT超え(Traversal)の設定は、環境によってSTUNかUPnPに変更する必要があるかもしれません。
※最後まで設定してアカウントがアクティブにならない場合、変更してみてください。
5.「SIP User ID」に「SIPアカウント(数字8ケタ)」を入力します。
6.「Authenticate Password」に「SIPアカウントパスワード」を入力します
※ ネットワーク内に端末を複数設置するケースであれば、「Local SIP port」に「50000〜60000」の任意のポート番号を設定するようです。
DTMFについては意味がよく分からない項目ですが、DTMF信号の解釈優先度(プライオリティ)だと思います。
マニュアルとネット資料と順番が異なりますが、今回はネットで参照した資料通り。
7.「Preferred DTMF method」の「Priority1」は「In-audio」を選択
8.「Priority2」は「RFC2833」を選択
9.「Priority3」は「In-audio」を選択
10.「Disable Call-Waiting」を「Yes」にチェック
※通話中着信を相手に知らせるかどうかです。
11.「SUBSCRIBE for MWI」を「Yes, send periodical SUBSCRIBE for Message Waiting Indication 」にチェック
12.「Preferred Vocoder」は「chice 1」から「choice6」までを下記のとおりに。
※公式では特にそのままですが、ネットを参照に以下に設定しました。
【最初に設定した例】
- choice1「PCMU」
- choice2「PCMA」
- choice3「PCMU」
- choice4「PCMU」
- choice5「PCMU」
- choice6「PCMU」
ただ、ここに関しては、人によって優先順位がかなり異なるようですので、いろいろな記事や資料を参照して変更していただいてもよろしいかもしれません。
【個人的に環境に合わせて設定した例】
- choice1「PCMU」
- choice2「PCMA」
- choice3「iLBC」
- choice4「G729」
- choice5「PCMU」
- choice6「PCMU」
13.「SLIC Setting」は「JAPAN CO」を選択します。
14.「Caller ID Scheme」 を(ナンバーディスプレイ対応電話を繋ぐ場合)「NTT Japan」を選択します。
※非対応機種ならBellcore/Telcordia
15.最下段「Update」をクリックします
16.”ここ重要!” 画面変遷後、再度「Authenticate Password」を入力し、「Apply」をクリックします。
※ブラウザーの自動入力機能で全く違うパスワードを勝手に入力される可能性が高いためです。
STATUS タブで動作状況確認
1.Port Statusが「Registered」になっていることを確認。
※「NOT Registered」の場合は、前述の16番項目。パスワードを入力しなおしてください。
その他の設定
受話・通話の音量をFXS PORTタブの「Gain」で調整してください。私の場合は、相手側で聞こえる音量がかなり小さい状況でした。※電話機側の設定もあったかもしれません。
その他、音声の調整はネットの各記事を参照に調整してただければと存じます。
参考URL
http://blog.a-ankh.com/blog/889/ Atelier AnKH’s Blog