NHKで、過去に放送された「プロジェクトX」と呼ばれる人気番組があった。

基本は困難な課題に直面しても諦めずトライし、いつか成功に辿り着いたという話である。

もちろん、「努力すれば何時か道が拓ける」というテーマは、古今東西、絵本から文学、漫画まで幅広く取り上げる題材で、万人受けはする。

ただ見ながら気になったこと話もいくつかあった。

例えば
「会社の業務命令を無視して秘密裏に開発を続けていた」とか

結果的に成功した事例だったから良かったものの、失敗していたら、業務命令違反に加えて、勝手に資金流用などしていたら、それこそ横領に問われる可能性もある。

話は逸れるが
「会社が悪」「従業員は善」という目線で、番組やニュースも放映されることが多いが、会社とは経営者と従業員の2層組織ではない、経営者を含む全従業員で構成されているひとつの組織なのである、よって自分だけが善であるということはあり得ない。

以前、ある場で「会社が不正を行っていた場合に、それを外へオープンにするか?」というテーマを与えてディスカッションしてもらったが、結果は8:2で「黙っている」だった。
自分自身に火の粉が降りかかる上、会社が倒産した場合、それ以降密告者としての就職の困難さを考えてというような、かなりドライな判断が多かった。

話をプロジェクトXに戻すが、それを見て「会社の圧政に屈せず、自分が追い求める仕事をする」というような発想に至る、トンチンカンな人物が現れる可能性があるのでは無いかと感じたことを思い出した。
珍しい話だから番組になる、大抵のプロジェクトは失敗し闇へ消えていく。
しかし、それで諦めず、次のプロジェクトへ組織一丸となってチャレンジしていく、それこそが本当に目指すところではないかと思う。

ちなみに、この番組で取り上げられた話題について、その現場をご存じの方にお話を聞いたところ、相当に脚色されていたということ、まあ、それはTV業界の暗黙の了解なのだろう(笑)